2021.11.30
玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。
ひとの繋ぐ力伝統的な建築等が残る町並みを
保存することによって
その町ならではの個性や魅力を再生させたり
住民の生活環境を整備することを
町並み保存というそうです📖
国が文化財保護法に基づいて選定する
“伝統的建造物群保存地区”や
県や市の景観条例などに基づいて指定する
“町並み保存地区”のほかにも
有志の方が町並み保存会などを結成して
町並み保存運動を展開するものもあります。
少し難しい説明が並びますが
第2次世界大戦後の急速な復興と
経済成長の陰で失われていく伝統的な建物や
当たり前に存在した景観を残すため
保護し活用する取り組みを
国が後押しするようになったんだそうです🧐
そのため指定されたエリア内では
たとえ自分の土地や建物であっても
景観を損ねるような新築や改築などは
自由にできなくなっています。
町並みとの違和感があるものは認められず
申請などの手間や金銭的な負担もあるため
補助金が出ることも少なくありません。
国が選定した“伝統的建造物群保存地区”は
岡山県内にも三ヶ所あります。
まず一つ目の倉敷市の倉敷川畔は
岡山県を代表する観光地のひとつで
商家町が並ぶ美観地区で有名です💫
白壁の町並みや倉敷川沿いの柳並木
明治時代以降に建てられた洋風建築などが
調和した景観が楽しめます。
次に二つ目の津山市の城東では
江戸時代の城下町や陣屋町を基礎とした
風情を味わえます。
津山城の堀にもなっていた宮川を渡ると
約1kmも商家が続く町並みがあり
国や県が指定する文化財なども
数多く公開されているそうなんです。
最後の三つ目の高梁市の吹屋町は
山間部に位置する鉱山町で
銅とベンガラの生産で栄えた町です。
銅鉱脈の近くで良質なベンガラが生産され
ベンガラを生産した豪商の家は
間口の大きい町家となっています。
瓦は赤褐色の石州瓦
土壁には地元の赤土が使われ
格子もベンガラで塗られるなど
特有の赤い色が印象的な町並みです✨
岡山県が指定する“町並み保存地区”も
昔の風情を色濃く残す町並みとともに
地元の方や文化の交流拠点として
賑わっています。
古民家を再生したギャラリーで
作品展示やミニコンサートなどを開催したり
子どもでも気軽にできる体験教室があったり
地元食材を楽しめる場所があったり…。
実際に足を運ぶと
町並みや景観を保存していくためには
多くの人の力が必要なことを改めて感じます🤝
自治体のなどの
『町並みを守る』という方針がなければ
保存していくことはできず
地域に住んでいる方の理解と協力は
欠かせません。
そして…ここでも昔から今に続く
いろんな職人さんの技術を目にします🌟
県外や海外で異文化に触れることは
とても楽しく刺激も大きいですが
岡山県内にも新しい発見や面白さは
きっとたくさんあるんです!
日常とは違う時間の流れを感じながら
ほんの数時間だけでも
体験したり散歩したり
何もしないでボ〜ッとしたりする時間を
過ごしてみるのも
たまにはイイですよね😊
2021.11.25
玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。
個性を補い合う相性木造軸組工法の建物で使用する
補強金物のひとつに
ホールダウン金物があります。
地震や台風など外からの強い衝撃で
柱が土台や梁から抜けるのを防ぐために
柱脚と呼ばれる柱の脚元の部分や柱頭に
取り付けられます。
現在では必要不可欠な金物とされていますが
阪神・淡路大震災が起こった当時は
2階建て住宅を建てる際に
構造計算の義務付けがなく
接合部に使用する金物も
定められていませんでした📖📚
そのため多くの住宅では
ホールダウン金物が使用されておらず
全壊や半壊などの被害が出ています。
義務付けのない状況でも
ホールダウン金物を使用していた住宅や
当時から構造計算の義務付けがあった
3階建て以上の住宅では
倒壊被害が極めて少なかったため
その重要性に注目が集まりました👀
こういった経緯があり
震災以降の新築住宅には
ホールダウン金物が使用され始めます。
使用されてはいるのですが…
柱が引き抜かれることはなく安心である
とも言い切れません💨
新潟県中越地震や熊本地震においては
強い地震力を受けた際に
ホールダウン金物自体が破断したり
湾曲してしまったりするケースも
あったそうです。
倒壊を免れた住宅でも
柱が床から浮き上がってしまい
気密性が著しく下がったという報告も😓
地震などの強い衝撃を受けたときには
木は木として
鉄は鉄として
バラバラに動くと考えられます。
鉄筋コンクリート造では
鉄筋とコンクリートの個々の性質が
長所と短所を互いに補い合うため
一体化して強度を発揮します。
それに比べ
木と鉄は一体化しません⚠️
実は…
もともと木と鉄は相性が悪いんです🙄
それに加えて
木は鉄が嫌う水分を吸湿し
鉄が錆びる原因となります。
金属は木と違い
熱を通しやすいので
木と金物の間で温度差を生じさせます。
この温度差により結露が起こやすくなり
これもまた鉄が錆びる原因となります。
そして更に錆びた鉄が膨張して木材を傷める
という負のループに😱
金物を取り付けることで
一見すると極めて安心な印象になりますが
木と鉄は一体化しないため
計算以上の大きな力が加われば
鉄が勝ち木が負け
木材が割けることも考えられます。
やっぱり✨木には木!
伝統工法の
込み栓(こみせん)は
性質を活かす理にかなった技法なんだと
つくづく感じます💫
日々の生活を考えるのであれば
倒壊しないだけではなく
たとえ震災の被害を受けたあとでも
気密性や断熱性が保たれる耐震性能が
求められます。
耐震性を確保するためにも
心地よく住み続けるためにも
金物だけに頼るのではなく
材料の相性やバランスを
うまく取り入れることが大切です☝️
住みやすさを考える生活動線も含め
家としての強度や機能など
いろんな方面から未来を想像した設計と
職人さんの経験と技術を取り入れた施工が
必要なんです!
安心できる暮らしのある家づくりをするために
内装や外観だけではなく
目に見えない構造部分についても
目を向けてみることを
気に留めておいていただきたいです😊
2021.11.18
玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。
“HOUSE”と“HOME”
本日11月18日は
一般社団法人 日本記念日協会認定の
「いい家の日」です。
なぜ11月18日が「いい家の日」なのか
というと…
日付が「11(いい)18(いえ)」という
単純な語呂合わせみたいです🤣
多くの人に
『自分にとって「いい家」とは何か』
ということを考えてもらうことを目的とした
記念日なんだとか。
「いい家」と一語で表現されていても
具体的に考えていくと
人によって条件がいろいろ違うのが
面白いですよね!
ずっと住み続けたい人もいれば
子供の成長や自身の生活ステージに合わせて
住み替えをしたい人もいます。
新しく家を購入する際には
いっぱい悩んで自分が納得した「いい家」に
住みたいと誰もが思います。
これから家を購入する方だけでなく
賃貸か持家かも関係なく
当たり前のように今住んでいる住宅について
関心を持ってもらうことも
目的のひとつとされているそうです✨
“HOUSE”と“HOME”は日本語に訳すと
どちらも「家」になってしまいますが
似て非なるものなんですよ🏠
“HOUSE”は一軒の「家」
建物そのものを指します。
これに対して
“HOME”は人が「住んでいる場所」
暮らしのある我が家を指します。
「家」に限ったことではなく
自分にとって「いい」とは何か…
改めて自分と向き合う時間を過ごす日にしても
良いかもしれないと感じた
「いい家の日」でした😊
2021.11.16
玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。
神秘の銘木
黒柿とは
白と黒の縞模様をもつ柿の古木です。
樹齢150年以上の古木のうち
数万本に1本の割合で
年輪とは異なる紋様が幹に現れています。
柿は一般的に折れやすく
建築材料になりにくいのですが
茶道、華道、香道などの
日本文化の源流となった鎌倉・室町時代以降
武家流儀の茶室や総黒柿の書院など
古来から銘木として珍重されているんです☝️
なぜ年輪とは別の紋様が出てくるのか?
はっきりとした理由は
現在も解明されていないそうです🤔
墨汁を流したような穏やかな色合いで
強すぎる主張をしない黒色は
日本人の美的感覚に馴染む風合いを演出し
昔から高級木材として扱われてきました。
繊細な細工が美しい指物などに
使われることが多い木材でもあるのですが
黒い部分と他の部分とでは密度が違い
乾燥や加工が難しく
とても高度な職人の技を必要とします。
黒柿は入手から乾燥や加工に至るまで
すべての工程において希少価値が高いため
最高級木材とも称されるほど
銘木と呼ばれる木材の中でも
特に希少な銘木です🌟
寛政九年の『染物秘傳(そめものひでん)』に
黒柿色の染色法が記されていたり
正倉院宝物として納められている
琵琶や琴に鞍や厨子など20点以上にわたって
黒柿が使われていたりと
昔から黒柿を珍重していた様子が伺えます。
一方でWEB上で使うカラーコードに
色見本が定めらていたり
つい先日も会津若松市で
黒柿を使った工芸品の展示会があったりと
今もなお幅広く息づいてるんですよ😊
黒柿の背景を知っていくうちに
他の木にはない紋様や
ひとつとして同じものがない色合いは
見る人の心を惹きつける不思議な魅力と
圧倒的な存在感に満ちているようにも
感じてきませんか?
肌触りも滑らかで
とても心地の良い触感なんです✨
この触感は是非体感していただきたいので
機会があれば手に取って
この質感を感じてみてくださいね!
2021.11.11
玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。
昔の鬼と今の鬼
和風住宅の棟の端などに設置される瓦を
鬼瓦といいます。
建物のシンボル的要素が強い鬼瓦は
神聖な場所とされる棟端に
建物の守護を目的として
古くから使用されてきました。
厄災除けの意味を持つものや家紋など
様々なデザインがあったのですが
昔は鬼面👹のデザインが多かったため
鬼瓦と呼ばれるようになったそうです。
時代の流れとともに
鬼面に代わって雲・植物・浪をはじめ
宝珠や七福神など
デザインの種類が増えていきました。
鬼瓦と聞くと
鬼面や華やかな装飾が施されたものを
連想しがちなので
最近主流になっているシンプルなものも
同じように鬼瓦と呼んでいるのが
不思議な気分になる瞬間があります🤫
ちなみに✨
今は展示が終わっているのですが
鬼師と呼ばれる鬼瓦の職人さんが
大人気の“鬼のアニメ”とコラボして
鬼の瓦のモニュメントを製作したことが
話題になっていました。
伝統と流行を融合させることで
伝統のある技術や作品を
身近に感じやすくなる気がしませんか?
そんな機会が増えていくと
見過ごされていた良さを再認識できたり
新しい魅力が生まれたりと
愉しみ方も広がっていきそうですね🎶
2021.11.08
玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。
窓越しの景色と暮らす
先日のサプライズ花火🎇
ご覧になることはできましたか?
室内から見える景色を
絵画の額縁のように切り取る窓の事を
ピクチャーウィンドウといいます。
トップにある花火の画像は
ピクチャーウィンドウからの眺め
…ではないのですが😅
窓の向こう側に
日々変化する風景を観られるようにするのが
ピクチャーウィンドウです。
ピクチャーウィンドウを設置することで
外の景色と家の中につながりが生まれ
空間を広く感じられるようになるので
狭小住宅にもオススメです🖼
フォトジェニックな庭園として話題の
京都の「正寿院」には
日本の伝統文様である『猪目(いのめ)』
と呼ばれるハート型の
ピクチャーウィンドウがあるんです!
他にもピクチャーウィンドウが
観光スポットになっている寺院は
京都だけみてもたくさんあるんですよ😊
「泉涌寺 雲龍院」の「蓮華の間」に並ぶ
4つの雪見窓や
「源光庵」の“丸い窓”と“四角い窓”であったり
「東福寺 光明院」の「羅月庵」にある丸窓など
季節の移ろいを感じる自然の景色は
それだけで特別なアートのようで
高価な絵画とは違う贅沢さや魅力を感じます。
機能性は高くないかもしれませんが
住んでいる家から観る日常の景色を
特別に感じられたり
心地よさを味わえたりする空間創りは
おうち時間が更に満たされそうです💫
いま在るモノで
何気ない日常を豊かに過ごせる
先人の智慧には脱帽です。
2021.11.02
玉野市の工務店で新築・リフォーム
【ひと手間を惜しまない大工と建てる家】
レビウス匠です。
温もりある木目美
麻や絹などを使った織物の壁掛けのことを
タペストリーというのですが
焼杉の見本をタペストリー風に飾りました♪
タペストリーも歴史の古い工芸品で
古代ギリシャの兵士が描かれた
紀元前3世紀~2世紀頃に作られたものが
発見されています📚
長い年月を経て
現在では装飾用としての役割だけでなく
のぼりなど宣伝広告を兼ねた
利便性の高いものへと
幅広い発展を遂げているんだそうです。
風景や模様などを織り込んたペルシャ絨毯も
羊毛の質や織りの技術など
優れたアート性を感じる作品として
室内に飾らているのを目にします✨
ギャッベと呼ばれる南ペルシャの織物を
数多く取り扱われているお店が岡山にもあり
間近で眺めることができるんですよ!
『ギャッベ 岡山』で
ぜひ検索されてみてください🔎
材料も道具も物質的に豊かではない背景や
気の遠くなるような手仕事を想像すると…
正直言うと。。。
物質的に恵まれた現代の生活をしていると
想像しようとしても限界があり
想像しきれませんでした💧
木の成長記録とも表現される木目も
長い時間をかけて
濃淡のある模様を連ねていきます🪵
“様々な違いがあり同じモノはない”
そのモノのありのままの魅力を楽しめるような
気持ちの豊かさを思い返すアイテムとして
木目が引き立つ木材を
身近なものに使われてみるのもオススメです。